幼稚園の玄関で過ごした日々─親子の葛藤と先生の温かさに救われて

3〜4歳のころ、我が子は幼稚園に通うのをとても嫌がっていました。

制服に着替えるのを断固拒否したり、園の門に着いた瞬間に大泣きしたり。
私が帰ったあとも玄関から動こうとせず、そのままお迎えの時間までずっとそこにいた日もあったそうです。

先生方は本当に優しく対応してくださり、玄関にレジャーシートを敷いて絵本を読ませてくれたり、お弁当をそこで一緒に食べさせてくれたりして、本人のペースを大切に見守ってくれていました。

それでも、毎朝元気に登園する他の子たちを見るたびに「どうしてうちの子だけ…?」と心が押しつぶされそうになる日々。
担任の先生に相談してみたところ、こんな言葉をかけてもらいました。

「お母さんが大好きなんですよ。まだお母さんと一緒にいたい時期なんですね。子どもの成長はそれぞれ違いますから、大丈夫ですよ。」

そのひと言に救われた気持ちになり、少しずつ気持ちがほぐれていきました。

実母にこの話をすると、「あなただって同じだったのよ」と笑われました。
私も当時、バスに乗りたがらずに毎朝大騒ぎしていたそうです。まったく覚えていないのが不思議なくらいです。

そんな我が子も今では大学生。ひとり暮らしを始め、休みにはひとり旅で東京まで出かけるようになりました。
「今度一緒に出かけようよ」と誘っても、なかなか予定が合わずすれ違い気味。

あのころの姿を思い出すたびに、子どもの成長がいかに早く、そして尊いものかを実感します。
“いつまでも今のまま”なんてあり得ないのだと、しみじみ感じています。


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